今回は株式会社や有限会社の経理業務を劇的にラクにする、おすすめのクラウド会計ソフトをまとめてみたいと思います(個人事業主向けソフトはこちらから)。
これらの会計ソフトを利用すれば大げさではなく、経理担当の人員を今の半分以下にできる可能性も充分あり。
そのくらい破壊力のあるソフトなので、会社経営者の方はこの機会にクラウド会計ソフトの導入を検討してもらえればと思います。
実際、私もこれらのソフトを利用していますが、従来のパッケージソフトを使っていた頃と比べて記帳作業の手間が1/3以下になりましたよ。
※尚、『クラウド会計ソフトって?』という方にまず、下記のクラウド会計ソフトの仕組みを解説した記事から先に読んでみてくださいね。
-
確定申告がラクになる、おすすめクラウド会計ソフト3選!青色申告が必要な個人事業主は、これらの会計ソフトで経理業務削減を(個人事業主向けの記事ですが、企業会計でも理屈は同じです)。
法人向けのおすすめクラウド会計ソフト:
早速、株式会社や合同会社といった、法人経営者におすすめのクラウド会計ソフトを紹介していこうと思います。
マネーフォワード クラウド会計:
私も利用中のクラウド会計ソフトが「マネーフォワード クラウド会計(旧:MFクラウド会計)」。
銀行通帳やカード明細を自動で取り込んでくれるのはもちろん、レシートや領収書をカメラで撮影すれば自動的に文字起こししてくれるアプリなども完備されているので、経費入力業務を劇的に楽にすることが可能。
電話やチャットによる相談窓口も豊富なので、この手の会計ソフトを使い慣れていない方にもおすすめです。
弥生会計オンライン:
ご存知、弥生会計が提供しているクラウド会計ソフトが「弥生会計オンライン」。
普段から弥生会計をつかって経理業務を行っている株式会社の方は、このクラウド会計ソフトを利用すれば抵抗感なく移行できるのが最大のメリットです。
パッケージ版の会計ソフト業界の最大手企業だからこその安心感もあります。
freee(フリー):
クラウド会計ソフトのジャンルでは最大手のfreee(フリー)。
「経理の効率が50倍に」や「全自動会計ソフト」といったキャッチコピーで宣伝しているあたりを見ると、いかにfreee自身がその性能に自信を持っているかがわかりますね。
実際、最大手ならではのサポート体制があるのはもちろん、利用社数の多さもここの魅力だと言えます。
他にもあるクラウド会計ソフト:
今回は3つほどクラウド会計ソフトを紹介させていただきましたが、このジャンルには実はもう少し多くのソフトがあります(ネットde会計やCrewなど)。
ただほとんどのクラウド会計ソフト利用者がこの3つを利用しているため、今後も継続して開発&サービス強化を期待するのであれば大手を利用するほうが無難。
- 大手の会計ソフト:今後も進歩&サービス強化が期待できる
- 中小の会計ソフト:利用者が少ないのでサービス停止になる可能性も
更にセキュリティ面も大手のほうが強固だと言えるので、安心して利用したいのであればこの3つの中から選ぶのが無難ですね。
クラウド会計ソフトを使いはじめると現金が嫌いになる:
クラウド会計ソフトを使い始め、この環境になれると、ほとんどの方が現金が嫌いになると思います。
なにせクレジットカード払いや銀行振込による支払いは自動的に経費入力が終わる反面、現金払いの場合には手入力で経費をつけなくてはいけないので、この手間分だけ大きく損をしてしまうことに。
- 現金払い:記帳作業が面倒
- カード払い:ほぼ自動的に経費入力可能
- 電子マネー:ほぼ自動的に経費入力可能
こんな感じで現金で払うととにかく面倒…なので、クラウド会計ソフト導入後はできる限り100円、200円の支出であってもカード払いや電子マネー払いをしたくなることでしょう。
クラウド会計ソフトのQ&A:
ここでクラウド会計ソフトに関してよくある質問とその答えを紹介。
もっと詳しくクラウド会計ソフトを知りたい方は、こちらもしっかりと目を通してもらえればと思います。
Q.パッケージソフトは買わなくていいの?
クラウド会計ソフトを導入した場合には、パッケージソフトはもう購入しなくていいのか…というとこれはその通り。
マネーフォワード クラウド会計にしろfreeeにしろ、クラウド会計ソフトでは月額料金が設定されているので、その費用を払うことで最新版にアップグレードしていくことになります。
月額費用も法人向けソフトより安い:
こう書くと『なんだ、クラウド会計ソフトでも結局はお金がかかるのか』と思うなかれ。
この月額料金は従来のパッケージソフトとくらべてかなり安く設定されていて、安いところだと月額1,000円弱、高いところでも3,000円弱もあれば利用料は払えてしまいます。
特に税理士を通じてTKC会計や勘定奉行などに払っている金額と比べるともう…雲泥の差ですよね、これ。
- 会計事務所の会計ソフト:月額1万円弱からそれ以上になることも
- クラウド会計ソフト:月額1,000円弱から3,000円程度
そのため、会計ソフトにかけていた出費を削減する意味でもクラウド会計ソフト導入は効果的。経理業務削減&出費削減と、もう言うことなしな状況になりますよ。
Q.試しに使ってみることは可能?
クラウド会計ソフトのメリットは充分にわかったけれども、いきなりエイヤッと乗り換えるのはちょっと怖い…という方は、お試し期間を活用して実際に使ってみるのも手。
- マネーフォワード クラウド会計:無料期間あり
- freee:無料期間あり
- 弥生会計オンライン:無料期間あり
こちらでも充分にクラウド会計ソフトの機能性や利用メリットを味わえるので、会社経営者の方は経理担当を捕まえていろいろと試験運用してみてください。
きっと実際に使ってもらえればその魅力を充分に味わえると思います(きっと『なんでもっと早く導入しなかったんだ!』と後悔します)。
企業なら1ヶ月分くらい払ってみるのも手:
また、無料期間ではよくわからない…と思えた方は、追加で1ヶ月分くらい利用料を払ってみるのも手。
これでもわずか1,000~2,000円程度の費用しかかかわらないわけですから、経理業務の合理化への試行錯誤としては充分に安い出費になるのではないでしょうか?
その結果、私が言うように経理業務がラクになったのであれば、出費回収くらいカンタンに出来ると思いますよ。経理の人件費を削減したい経営者ならテストあるのみです。
Q.自動仕分けってそんなに業務を効率化できるの?
クラウド会計ソフトは今、確かに話題だけれども、自動仕分けってそんなに便利なの?という方、これは私自身の経験でもありますがほんとです。もうもはや、パッケージ版の会計ソフトには戻れないと思えるくらいですね。
なにせ1件1件、手入力で経費を記帳していた頃は「東京電力は水道光熱費で、10月11日付けで9,823円っと。補助科目の電気代を選択して、摘要欄に東京電力9月分電力と入力…」なんてやっていたものですが、クラウド会計ソフトであれば確認ボタン1つで経費入力が完了。
これにかかる時間なんて1~3秒くらいですよ。
- 経費を手入力する:早くても30秒、かかる場合には1分以上
- クラウド会計ソフト:確認ボタンを押すのみで、一括登録も可能
手入力だと1件あたり早くても30秒かかるので、この差は大きいです。
人件費を大幅節約できる:
更にクラウド会計ソフトを導入すると、会社経営において一番大きな支出である人件費の削減にも繋がります。
とりわけ「毎日毎日、経理担当はなんであんなにも大変そうなんだ?」と思っている経営者は是非、クラウド会計ソフト導入を検討してみてください。
きっと小規模な株式会社&有限会社であれば、経理担当など雇わなくても社長1人で対応出来てしまうかもしれませんよ。
- クラウド会計ソフトを導入する前:
記帳を1件1件、手入力で入力していかなくてはいけないため、作業に時間がかかる=人件費負担が重い - クラウド会計ソフト導入後:
作業時間が短縮できるのでそれだけ人件費負担が少なくなる。うまくいけば経理の人員を減らせる
加えて税理士にレシートや領収書を丸投げして記帳代行してもらっている会社も、これらの会計ソフトを利用すればそのアウトソーシング代を節約できると思います。
Q.WindowsだけでなくMacのOSでも使えるの?
会計ソフトの中にはMacBook AirなどのMac OSなどでは使えないものがそれなりに存在しますが、これらのクラウド会計ソフトは大丈夫なのでしょうか?
これについては全く問題ありません。
基本的にパソコンのブラウザ上で使うソフトウェアなので、WindowsだろうがMacだろうが、たぶんLinuxだろうが問題なく帳簿を付けることが可能です。
- Windowsパソコン:問題なし
- Macパソコン:問題なし
そのため、会社によってはOSの種類が複数ある…なんてところもあると思いますが、クラウド会計ソフトであれば問題なくどちらのパソコンからでも記帳が可能。
市販の会計ソフトだとなかなかこうはいきません。
Q.クラウド会計ソフトのその他メリットは?
クラウド会計ソフトを使うその他のメリットにはどんなものがあるでしょうか?個人的におすすめしたいのが請求書の発行機能。
クラウド会計ソフトに連動した請求書サービスを利用すれば、そのまま簡単に取引先に請求書が送れるだけでなく、更にはクレジットカード払いの受付なんかも出来てしまったりします(詳細は下記サービスなどを参照)。
請求&入金は会計ソフトにも入力可能:
もちろん請求書の発行や代金の受領等々についても、会計ソフトと連動させておけばボタン1つで処理&記帳可能。
従来、FAXや郵送で請求書を送り、銀行口座にて入金確認していた場合には、経理や総務の手間を劇的に減らせることになります。
- 従来:請求書の作成、印刷、郵送、入金確認、連絡等が必要
- 請求書サービス利用:ネットで完結する(郵送代行も可能)
このようにクラウド会計ソフトにはインターネットに接続しているサービスだからこそ出来る機能がたくさんあるので、そういった意味でもこれらのソフトを使うのがこれからはおすすめなのですね(下記記事もあわせてどうぞ)。
Q.経理をお願いしている税理士が嫌がるんだけど?
クラウド会計ソフトを導入したいものの、うちの担当税理士が導入を嫌がっている…というケースは今後、増えていきそうな感じ。
この原因はそもそも税理士がインターネットに不慣れなケースが多いということが一番多そうですが、他にも税理士指定の会計ソフトを企業に使わせることで得られる利益がなくなってしまうことも大きいと私は思います。
- 税理士指定のソフトを使う:会計ソフト代の一部が税理士の利益に
- 税理士指定のソフトを使わない:税理士は顧問料でしか儲からない
要は税理士にとってクラウド会計ソフト導入は旨味が少ない、そういうことですね。
税理士は本来、会社経営の味方であるべき:
ただ税理士は本来、会社経営者の味方であるべき存在。そのため、経営者が経費削減の提案をしているのにそれに抵抗するのはあまり良い行動とはいえません。
それでも尚、導入に反対してくる税理士であれば、もういっそのことクラウド会計ソフトに強い税理士に変更してみるのもひとつの手。
また、マネーフォワードやfreeeでも税理士紹介サービスを提供中。
これらのサービスに相談をすれば自社のソフトを熟知している税理士を斡旋してくれるので、もし税理士ごと変更してしまう予定があるなら相談をしてもらえればと思います。
さぁ、クラウド会計ソフトを導入しよう:
ここまで詳しくクラウド版の会計ソフトについて解説してきましたが、いかがでしょうか?
経費入力の手間を劇的に効率化できるだけでなく、経費担当の人件費削減、会計ソフト代の削減、転記ミスなどの防止、税理士事務所への記帳代行費削減…などなど、クラウド会計ソフトを導入するだけで実現できるコストカットは計り知れないものがあります。
こうなると残すは「長年使ってきた会計ソフトを変更するのは大変そうだ…」という気持ちと、「うちの会計士さんが導入を反対するだろうな…」なんて人間関係の問題のみ。
ただ会社経営者であれば無駄なコストを削減するのは当然の話なので、是非、この機会にまずは無料版の導入からはじめてみてください。
その結果、『これは便利だ!』と思ったのであれば税理士を説得するか、新しい税理士に切り替えるなどの対策を講じてもらえればなと思います(税理士探しはこちらから)。
以上、株式会社の経理をラクにする、おすすめのクラウド会計ソフト(2022年版)!記帳や経理業務を効率化し、人件費の削減をしよう…という話題でした。
参考リンク:
クラウド会計ソフトを導入するのであれば同時に、法人向けのクレジットカードやETCカード導入も検討してみてください。
併せて利用することで更に経理業務を効率化することが出来ますよ(法人カードで支払いをすれば、自動的にクラウド会計ソフトに支出内容を取り込めるため)。