今回はクラウド会計ソフトのシェアに関する統計データをいろいろと調べてみました。
せっかくクラウド会計ソフトに切り替えるなら、利用率、つまりシェアの高いソフトを利用したい…と思う方は多いはずなので、是非、これらの統計を参考にした上で、従来のパッケージソフトからの切り替えを検討してもらえればなと思います。
クラウド会計ソフトのシェアについて:
MM総研の統計データ(2022年):
MM総研が2022年に発表したデータには、弥生、freee、マネーフォワードのシェア推移がありました(転載&引用元はこちら)。
「弥生」がトップシェアで53.9%、「freee」が25.4%で2位
クラウド会計ソフトを利用している個人事業主に、実際に利用しているクラウド会計ソフトを回答してもらったところ、事業者別では「弥生」が53.9%で最も多く、「freee」が25.4%、次いで「マネーフォワード」が15.5%となった
あくまで個人事業主向けのクラウド会計ソフトシェアでしかありませんが、個人向けだと弥生の強さが目立ちますね。
マネーフォワードに3倍以上の差をつけて完勝といったところです。
クラウド会計ソフトの利用率は年々上昇:
またこの統計データ上には、クラウド会計ソフトの利用率推移も掲載。
会計ソフト利用者に、利用している会計ソフトを確認したところ、パソコンにインストールして利用するPCインストール型の会計ソフト(※会計データのみをクラウド上で保管するものを含む)が58.0%を占めた。
クラウド会計ソフトを利用している個人事業主は29.8%で、前年の26.3%から3.5ポイントの増加となった。
上昇率はやや鈍めではありますが、年々、右肩あがりにクラウド会計ソフト利用者が増えていることがわかります。
デジタルインファクトの統計データ(2016年):
デジタルインファクトという企業が2016年8月4日に発表したクラウド会計ソフトに関する統計データです。
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第四回 クラウド型会計ソフトの利用動向調査(当該記事は削除済み?)
法人、個人事業主合わせて最も利用されているクラウド型会計ソフト提供事業者はfreee(40.9%)、これに、弥生(25.5%)、マネーフォワード(13.0%)が続く
freeeのシェアがダントツ:
ちょっとグラフの色使いが見難いですが、これを見てみるとfreee(フリー)がダントツ1位を獲得。
株式会社や有限会社といった法人経営者から、個人事業主にまで、幅広くfreee支持者が広まっていることがわかります。
反面、2017年1月現在ではもう少しシェアが高まっていると見られるマネーフォワード(MFクラウド会計やMFクラウド確定申告)の利用者は少なめという結果に。
法人会員の中ではフリーウェイに次ぐ3位、個人会員でも弥生に次ぐ3位と2番手どころか3番手の位置付けなため、シェア重視で会計ソフトを選びたい方には不向きかもしれません(スマホから見ている方のために、統計データの文字起こしをしておきます)。
総合データ:
- freee:40.9%
- 弥生:25.5%
- マネーフォワード:13.0%
- フリーウェイ:8.5%
個人事業主のデータ:
- freee:35.9%
- 弥生:34.1%
- マネーフォワード:13.8%
- フリーウェイ:4.2%
法人の利用率データ:
- freee:51.3%
- フリーウェイ会計:17.5%
- マネーフォワード:11.3%
- 弥生:7.5%
MM総研の統計データ(2016年):
次にMM総研というところが2016年3月末時点で調査した、クラウド会計のシェアについては下記の通り(ちょっと長めに引用させてもらいます)。
クラウド会計ソフト利用者に、実際に利用しているクラウド会計ソフトを回答してもらったところ、事業者別では「弥生」が53.1%で最も多く、次いで「freee」が22.9%、「マネーフォワード」が16.1%、「全国商工会連合会」が3.9%となった(図表3)。
対象ソフト
- 弥生 …「やよいの青色申告 オンライン」、「やよいの白色申告 オンライン」
- freee…「freee」
- マネーフォワード…「MFクラウド確定申告」
- 全国商工会連合会…「ネットde記帳」
トップシェアとなった弥生は前回調査時の50.5%からシェアを2.6ポイント上げている。弥生は、2014年1月から「やよいの白色申告 オンライン」を、2014年10月から「やよいの青色申告 オンライン」を提供。PCインストール型の会計ソフトにおける提供で積み重ねた実績と知名度の高さに加え、簡単に操作できる点や継続利用意向の高さも強みとなっている。
2位のfreeeはシェア22.9%で、前回調査時の24.9%から2.0ポイント減となった。2013年3月から他社に先駆け「freee」の提供を開始、クラウド会計ソフトの市場立ち上げに貢献。freeeの利用者からの声では操作性の高さに加え、クラウド上にデータを保管できること、ソフトをインストールしなくともよいなど、万遍なくクラウドならではの機能を評価する声が多く聞かれた。
3位のマネーフォワードは前回調査時の9.8%から6.3ポイント増となる16.1%と最もシェアをアップさせた。同社は2014年1月より「MFクラウド確定申告」の提供を開始。最大の強みは、3,600サイト以上という対応金融機関の多さで、銀行やクレジットカードなどのデータの自動取込、自動仕訳できる点を評価する声が多い。
個人的には正直、やよいの青色申告オンラインややよいの白色申告オンラインの利用者はここまで多くないのではないか?という気がしなくもないため、もしかすると回答者の中には従来のパッケージ版「やよいの青色申告」利用者が含まれてそうな感じ。
しかしそれでも弥生ブランドの強さが著に現れている統計結果だなーという気がしますね。ここまで強いとfreeeもマネーフォワードもクラウド会計ジャンルの有力ソフトという立場がありません。
MFクラウドの日本一発言はここから:
ちなみにMFクラウド会計やMFクラウド確定申告が「ユーザー数 純増No.1」という表現を使っているのは、このMM総研の統計データを元にした表記ですね。
確かに2015年の統計と比べて2016年のマネーフォワード社の伸びは目を見張るものがありますが、統計対象数が500人ちょっとの統計で「純増No.1」というのは少し無理がある気も…。
まぁそうしてでも、なにか一つでもナンバー1の数字が欲しかった気持ちはわからなくもないので、引き続き、マネーフォワード社には頑張って欲しいところです。
クラウド会計ソフトに切り替えよう:
ここまでクラウド会計ソフトのシェアに関する統計データをいくつか紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
やはりシェアで選ぶならfreee、実績で選ぶなら弥生の青色申告オンライン…というのが、現在でのベストな選択肢ということができそうな気がします。
どのクラウド会計ソフトを利用するかで悩んだら、これらのソフトを利用してみてくださいね。
以上、クラウド会計ソフトのシェアに関する統計データまとめ。freeeや弥生会計など、どのクラウド会計ソフトを使うか迷っている事業者の方に…という話題でした。
参考リンク:
更に会計ソフトを比較したい…という方は、下記記事も参考に。有限会社や株式会社といった、法人経営者にぴったりのクラウド会計ソフトを紹介しています。
あと、フリーランスや個人商店経営者などの個人事業主の方は下記記事を参考に。青色申告用のクラウド会計ソフトを紹介中です。