月末に入金予定だった取引先からのお金が入っていない…。そんな冷や汗モノの月初を過ごしている個人事業主(フリーランス)は多いもの。
これが数万円程度の小規模案件であれば心労が少なめで済むのですが、10万円超えるような案件では、入金日に振り込みがないだけでパニックになってしまうのではないでしょうか?
うーん、想像するだけでゾッとします。
個人事業主の入金確認について:
月末締め翌月末払いが基本:
まぁ強気に契約が取ってこれる企業や実績ある方であれば別ですが、一般的に立場が弱いウェブデザイナーやプログラマーといったフリーランスは、どうしても契約内容が「月末締め翌月末払い」になりがち。
加えて最近ではネット経由で遠方のクライアントから仕事を受注することも多くなっているため、日々、「ほんとうにお金を払ってくれるのだろうか?」という不安と戦いながら仕事をしている方は少なくないと思われます。
- 理想:半金を前金で払って貰う
- 現実:月末締め翌月末払いが多い(前金ではなかなか払ってくれない)
仮にそんな状況で相手からの着金がなかったら、もはやホラー以外のなにものでもありません。
個人事業主こそカード決済を導入しよう:
そこで今回、私がおすすめしたいのは、個人事業主こそクレジットカード決済を導入しようというもの。
要は取引先からの入金を銀行振込ではなく、クレジットカードで払って貰うようにすれば万事解決するのではないか…という提案ですね。
- 銀行振込:月末締め翌月末払いが基本。入金がない場合も。
- カード払い:すぐに入金あり。間違いなくお金の回収が可能。
こう書くと『いやいや、クレジットカード払いなんて手数料がかかっちゃうじゃないか?』と思われるかもしれませんが、これはもちろんその通り。
確かにクレジットカード払いをしてもらえればこちら側(個人事業主側)でクレジットカード決済手数料を負担しなくてはいけません。
しかし、その手数料を負担するメリットがあるとしたらどうでしょうか?次の章ではわかりやすく、手数料を払ってでも個人事業主がクレジットカード決済を導入するメリットをまとめていきます。
ランサーズやクラウドワークスも今やカード払い:
仕事を受注している側であるフリーランスからするとあまり実感はないかもしれませんが、ランサーズやシュフティといったクラウドソーシング系サイトのお金のやりとりも、実は発注側はクレジットカードで払ってることが普通です。
- 直接取り引き:銀行振込が主流
- クラウドソーシング上での取引:カード払いが主流
それにも関わらず「工賃のやりとりは銀行振込で!」とするのは古い考えなのかも。
直接取り引きだから銀行振込である必要もないですし、発注側も工賃をカード払いで払うことに抵抗感はもうないので、柔軟に対応いただければと思います。
個人事業主がカード決済を導入するメリット:
続いて個人事業主がクレジットカード決済を導入するメリットについてまとめていきます。
1.入金までが早い:
まずはこれ。意外かもしれませんが、クレジットカード払いで工賃を払ってもらうと入金までのサイクルがかなり早くなります。
たとえばネット経由でクレジットカード払いを請求できる「MFクラウド請求書」だと最短2営業日での入金が可能。
2ヶ月ではありません、2営業日です(月曜日にカード払いしてもらえば、その週の水曜日には入金があるということ)。
- 銀行振込:月末締め翌月末払い(最大60日程度)
- MFクラウド請求書:最短2営業日
但し2営業日でお金を払って貰うには手数料がかかってしまうので、余分な手数料を払いたくないという方は基本プランの15日後入金を選べばOK。
こちらでも銀行振込よりも圧倒的に早く、お金を回収することができます(詳しくは公式サイトにて)。
2.取引先の信用調査が不要:
2つ目は「この取引先、お金を払ってくれるか怪しいな…」というところからも仕事を貰うえる点です。
実際、名前を聞いたこともないような企業からの受注、お金に困っていると噂の事業者からの受注などは、通常、前金じゃないと受けられないよ…なんて突っぱねるフリーランスの方は多いかと思いますが、クレジットカード決済を導入すれば確実にお金の回収が可能になるメリット有り。
なにせ経営が不安定な企業が倒産してしまっても、クレジットカード払いならクレジットカード会社からしっかりお金を回収できるので問題がないためです。
- 銀行振込のみ:
信用力の低い企業からの受注は避けたくなる(前払い必須)
- カード払いOK:
信用力が低い企業からの受注でも対処可能(前金で払ってもらいやすい)
銀行振込による後払いじゃこうはいきません。
3.督促をする必要性がない:
3つ目は督促(とくそく)が不要になる点。
督促とはカンタンにいえばお金の取り立てのことですが、個人事業主が取引先に対してお金の取り立てをするのって結構大変なことなんですよね。
電話で催促してもなかなか入金してもらえない、内容証明郵便を送りつけても対応してもらえない、少額訴訟をしても払ってくれない…などなど、弁護士に依頼する体力がないフリーランスだと、自分自身でお金を取り立てないといけなくなるためにかなりのストレスに。
それでもお金を回収できたら良いのですが、多くの場合には訴訟沙汰になってもなかなか回収できないことも多いようです。
その点、クレジットカード決済を導入すればクレジットカード会社が支払い分をきちんと支払ってくれるので安心そのもの。
- 銀行振込の場合:督促は自分で行うしかない
- カード決済の場合:督促は不要。カード会社が勝手に取り立ててくれる。
個人事業主の方が心配する必要性はありません。
4.取引先にもメリットがある:
4つ目はクレジットカード決済を導入すると、取引先にもメリットがある点です。
言うまでもなくカード払いをすればポイント獲得が可能ですし、銀行振込のときに負担していた「振込手数料」の負担も0円になるためなにかとお得。
100万円の外注工賃ならそれだけで1万円分程度のポイント獲得ができるので、お金を払う側としても経費削減効果が見込めるのは大きいです(詳しくは下記記事にて)。
反面、銀行振込だと振込をした瞬間に手元からお金がなくなるのがデメリット。
資金繰りが悪化した企業なら、極力、クレジットカード等の支払い手段を使いたいという気持ちがあることでしょう(まぁ企業がリボ払いとか使いだしたら終わりも近いですけどね…)。
信用調査をするのは大変:
費用が高すぎて帝国データバンク等に信用調査を依頼できないフリーランスの場合、取引先の信用調査は主にGoogleや口コミが中心になりますよね。
実際、「○○株式会社」と検索して出てきたウェブサイトを一通りチェックして、ほんとうに受注して良いものかどうか調べる…なんて方は多いはず。
まぁ株式会社ならこれでも情報が出て来るのですが、取引相手が個人事業主だともうお手上げ。あとはメールの文面や電話対応等で信頼できるか見極めるしかありません。
これで支払いサイクルが月末締め翌月末払いだったら…怖すぎです。
個人事業主がカード決済を導入するデメリット:
では個人事業主がクレジットカード決済を導入するデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?負の側面であるデメリットもまとめてみたいと思います。
1.カード決済手数料がかかる:
まず、デメリットとして一番大きいのはクレジットカードの決済手数料ですよね。
前述のMFクラウド請求書の場合には、請求金額の1.99%~2.49%程度の費用がかかるので、この費用に見合うメリットがあればカード決済を導入し、見合わないなーと思うなら導入しなければOK。
このあたりは業種や取引先に新規が多いかどうかなどで変わってくると思うので、自分の事業スタイルだとどちらが良いかを選んでもらえればと思います。
- 手数料を払う価値あり:カード決済導入
- 手数料を払う価値なし:従来通り、銀行振込で
手数料が高いと思うか安いと思うかは粗利次第でしょう。
カード手数料は下落傾向:
あと、こう書くと『カード決済って5%くらい手数料が取られるんじゃないの?』なんて言われる方も多いのですが、最近では決済手数料も下落傾向にあり、今ではそれほど負担にならない程度の手数料率になりつつあります。
場合によっては銀行振込手数料660円や880円を負担するくらいなら、カード決済手数料の1.99%~2.49%を負担したほうがお得なことすらもあるので、下記のように請求金額に応じてカード払いを受けつかどうかを決める…なんていうのも手ですね。
- 1万円をカード決済:約200円~250円のカード手数料
- 3万円をカード決済:約600~750円のカード手数料
- 10万円をカード決済:約2,000円~2,500円のカード手数料
結果的に収入アップとなる場合すらあることでしょう(ずる賢い取引先によっては1万円程度の取引でも880円の振込手数料を差し引いて入金してきたりする)。
2.取引先がカード払いに対応してない場合がある:
デメリット2つ目は、そもそも取引先がクレジットカード決済を嫌がる場合もある点。
まぁこれは仕方ない部分なので、取引先がどうしても銀行振込で払いたいのであれば、従来通りの契約を続けるしかありません。
また、これから新規に取引をはじめる企業が相手なら、『前金でお支払いただくか、クレジットカード払いが選べます』と提案することで、カード払いに誘導するのも効果的。
- 前金のみ受付:受注が取りにくい
- 前金かカード払いOK:受注が取りやすくなる
いきなり『前金で払え!それでしか受注しないぞ!』では貰える仕事も貰えなくなってしまうので、カード決済という別の選択肢を用意するのは契約を取るという意味でも有効なのかな?と思います*1。
カード番号等の漏洩は大丈夫なのか?
クレジットカード払いを導入するメリット&デメリットはわかったけれども、取引先からクレジットカード番号等の情報を聞くのって難しくないか?と思われた方、ご安心ください。
これについてMFクラウド請求書ではMFクラウド上で専用のクレジットカード決済ページを用意し、個人事業主がクレジットカード番号等の情報を扱わなくて良い仕組みになっているので問題なし。
仮にカード情報が漏洩したとしても、MFクラウド側が対処してくれるのでそういった面でも安心ですよ(あなたの責任が問われることはありません)。
入金がないと月初に慌てるくらいなら:
ここまで個人事業主がクレジットカード決済を導入するメリットとデメリットを紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的には月初に入金がないと慌てたり、取引先に「お金を払ってください」と不毛な督促をするくらいなら、決済手数料を払ってでもカード決済を導入するのがおすすめ。
残念ながら個人事業主にとって自分の身体はひとつしかないので、出来る限り本業の仕事にアタマと時間を回しましょう。
対面取引が多いならモバイル決済を:
尚、取引先に送る請求書にクレジットカード決済を付けたいならMFクラウド請求書がおすすめですが、これでは対面でのクレジットカード決済には対応できません。
そのため、仮に司法書士、弁護士、コンサルタントといった職業の方は、実際にミーティング時に支払いをしてもらいやすいモバイル決済(iPhoneやiPadを使ったカード決済)のほうが使いやすい可能性大。
下記のSquareなどの導入を検討してもらえればと思います。
以上、取引先から入金がない…と月初に慌てるくらいなら、個人事業主はクレジットカード決済を導入しよう!そのメリットとデメリットを解説…という話題でした。
参考リンク:
支払いを受ける際だけでなく、取引先に対して支払いをする際にもクレジットカード払いは便利。クラウド会計ソフトと連動させれば、それだけで会計帳簿が出来上がってしまうので、フリーランスの手間を大幅に減らすことができます。
『経理作業をラクにしたい!』という方は下記記事もあわせてご覧ください。
*1:コンペにおいて同じ提案内容&価格なのであれば、前金で払ってほしいというA社よりも、クレジットカード払いもOKなB社のほうが選ばれる可能性が高いという話です。