今回は個人事業主が節税に使える共済や控除に中心まとめてみたいと思います。
フリーランスや個人商店経営者の方は税金を払い過ぎないよう、これらの節税対策を検討してみてくださいね。
節税対策に使える制度や共済まとめ:
1.青色申告特別控除65万円を狙う:
まずは基本的なところから。青色申告をして65万円の控除を狙うという方法です。これだけで払うべき税金が数十万円程度は減らせることでしょう。
尚、青色申告をするためには税務署に予め、『私は青色申告をしますよ!』という書類を提出する必要性があります。
これを忘れてしまうと控除が受けられないので注意ください。
青色申告へのハードルが高いのであれば:
ちなみに複式簿記で帳簿を付けるなんて面倒だ!という方は、青色申告は青色申告でも10万円控除のほうを狙うというのも手です。
詳しくは下記記事などを参考にどうぞ(白色申告と青色65万円控除の中間みたいなもの)。
2.小規模企業共済に加入:
小規模企業共済に加入するのも個人事業主向け節税アイデアのひとつ。
満額の月額7万円を払った場合、所得税率40%ならそれだけで住民税と併せて40万円程度の節税になります。
まぁ毎月7万円を負担するのは結構キツいかもですが、所得が多いフリーランスの方は払うようにしておくと将来安心できます。
あと、事業用のお金がない足りなくなった時には積立した分を貸し付けてもらうことも出来るので、無理にでも積み立てておきたいお金ですね。
3.個人型確定拠出年金(個人型401K):
個人事業主は基本的に国民年金保険料のみの支払いでOKなわけですが、実際にはこれだけを支払っていると将来、年金として貰える金額は雀の涙程度…。老後の生活は成り立たなくなります。
そういった時に役立つのが個人型確定拠出年金、通称個人型401K。これを毎月積み立てておくと、その分を確定申告の際に所得から差し引いてもらうことが出来ます。
現在だと月額68,000円まで積立可能なので、こちらも満額利用すると年間40万円程度の節税になりますよ(所得税40%の場合の話)。
尚、個人型確定拠出年金=株式投資=損失が出るかも?というイメージが強い方もいますが、実際には国債や定期預金への振り分けなども出来るので、元本保証に近い形で運用することも出来ます。ご安心ください。
国民年金基金でもOK:
ちなみに個人型確定拠出年金ではなく国民年金基金を使う…という選択肢を選んでもOKです(両方を使うことも出来ますが、その場合は個人型確定拠出年金の掛け金はその分だけ少なくしないといけません)。
個人的には将来、日本が過度なインフレになってしまう可能性があることを考えると、あんまり国民年金基金に頼るのは良策ではないかな…とは思ってますね。資産運用におけるリターンを高めたいならやはり個人型確定拠出年金のほうがおすすめです。
4.経営セーフティ共済:
経営セーフティ共済は取引先企業の急な倒産などによる、連鎖倒産を防ぐために作られている共済です。
月額5000円~20万円まで積立可能&全額損金にすることが出来るので、節税にはうってつけの共済だと言えますね。
但し、40ヶ月以上の積立がないと、解約時に積み立てた金額以下のお金しか戻ってこなくなるのでその点はくれぐれも注意。
今年は収入が少ないな…という時には解約して所得税を払い、その後、また再加入して掛け金を損金にしていくということも出来ますよ。
5.ふるさと納税:
ふるさと納税も立派な節税対策です。
個人事業主の方は住民税の支払い金額も大きくなりがちなので、ふるさと納税を積極的に利用して住民税の実質還元を狙ってみてください。
所得が多い方であればふるさと納税の活用で数十万単位の節税につなげることも可能ですよ。
反面、個人事業主は年末になるまで年間の課税所得がわからない…というのがデメリット。下手するとふるさと納税を利用しすぎて足が出てしまう場合もあるのでご注意ください。
節税対策になる考え方、アイデア:
オマケとして、参考までに節税対策になる考え方やアイデアもちょっとだけまとめておきます。特に出金伝票は知らない方が多いので活用してみてください。
レシートがないものも経費にする:
自動販売機で取引先の分までジュースを買う、飲みに行ったら割り勘だったので領収書を貰えなかった、葬儀の際にお香典を払った…などなど、支払いはしたのに領収書やレシートがないときってなにかと多いですよね。
そんなときは諦めずに「出金伝票」というものを使って、自分で領収書を作ってしまうようにしてください。この伝票を作成することで、レシートがない出費についてもしっかり経費にすることが出来ます(自分でレシートを作ってしまうということ)。
詳しくは下記記事などを参考にどうぞ。出金伝票の書き方などが説明されていますよ。
サラリーマンでも電車代など領収書のない少額の交通費はまとめて精算しているはずです。個人事業主の場合、交通費の他、自動販売機でお客様用に買ったジュース代、取引先関連のお葬式の香典など、領収書がない場合でも、支払い内容が明確なら経費として計上することができます。その場合、「出金伝票」に内容を記入しておき、帳簿にはその内容を入力します。
クレジットカードを活用する:
クレジットカードで支払いをすればポイントが付く…というのはみなさんご存知の通り。このポイントについては所得として申請しなくても税務署に突っ込まれることは現状ないので、単純な話、クレジットカード払いをすればするほど節税につなげることが出来ます*1。
- 現金払い:そのまま経費になる
- カード払い:経費の一部がポイントとして戻ってくる
但し、事業用の支払いを個人用クレジットカードでするのは本来、クレジットカードの規約違反にあたる行為。
仕事でクレジットカードを使う機会が多いという方は、法人向けクレジットカードと呼ばれる、ビジネスで使ってOKなクレジットカードを入手するようにしてくださいね(詳しくは下記記事を参考に)。
以上、個人事業主が節税に使える共済や控除まとめ!支払う必要性のない税金まで払わってしまわないように、制度を上手に活用しよう…という話題でした。私もそろそろ今年の所得も見えてきたので、節税対策に本腰を入れたいなと思います。
参考リンク:
節税とは直接的には関係ありませんが、確定申告の作業を劇的にラクにすることが出来るクラウド会計ソフト利用もおすすめです。
記帳作業にかかる時間が大幅に減るので、その分だけ仕事時間を増やすことが出来ますよ(詳しくは下記記事にて)。
*1:公官庁や大企業だと問題になるケースもあるみたいですが、個人事業主の場合にはとやかく言われることはまずありません。