今回は第四銀行や七十七銀行といった、名称に数字が入った「ナンバー銀行」について詳しく調べてみました。
そもそもナンバー銀行とは何なのか…といった解説から、未だに残るナンバー銀行にはどのようなところがあるのかなどなど、私同様、ナンバー銀行に興味があるという方は是非、参考にしてもらえればなと思います。
ナンバー銀行まとめ:
ナンバー銀行とは?
まず、ナンバー銀行とは明治時代に作られた国立銀行のことで、設立順に1番から番号が割り振られたことにより出来上がったものです(こちらより引用)。
- 一番最初に出来た銀行:第一国立銀行
- 二番目に出来た銀行:第二国立銀行
- 三番目に出来た銀行:第三国立銀行
- 四番目に出来た銀行:第四国立銀行
明治の国立銀行(こくりつぎんこう)とは、1872年(明治5年)の国立銀行条例に基づいて開設された金融機関である。(中略)
銀行は設立順に番号を名乗っており、これを「ナンバー銀行」と呼ぶこともあり、一部は現存している。
もちろんナンバー銀行という呼び名自体は最近出来た言葉で、当時からそのような言葉で呼ばれていたわけではありません。
現在でも銀行名に残っている、第四銀行や十六銀行などのことを総じて「ナンバー銀行」と読んでいるだけとなります。
国立銀行ではなく国法銀行:
あと、国立銀行…というと、日本銀行のような日本政府が作った銀行と思われるかもしれませんが、これはアメリカのナショナルバンク(National Bank)を間違って国立銀行と訳してしまったのが原因と言われています。
「国立銀行」とはアメリカのnational bank(現在では国法銀行と訳すことが多い)の直訳であり、「国法によって立てられた銀行」という意味である。したがって民間資本が法律に基づいて設立して経営したものであり、国が設立して経営した銀行ではない。
そのため、ナンバー銀行は国が建てた銀行ではなく、国の法律に基づいて設立されたただの民間銀行ですね。国立でもなんでもありません。
ナンバー銀行の総数は?
次にナンバー銀行は合計いくつくらい建てられたのか…というと、これは全部で153個です。
最後の第百五十三国立銀行が設立された1879年以降は新規設立が認められなかったので、現在、国内に残っているナンバー銀行はすべて、その時までに設立された歴史ある銀行であることがわかります。
短くとも140年以上の歴史があります。
ナンバー銀行には一部例外あり:
但し、ナンバー銀行と思われることが多い第三銀行は数字が銀行名に入ってはいるものの、明治時代に設立された国立銀行ではありません。
また、第八十二銀行も第十九銀行と六十三銀行が合併して出来た銀行なので、82番目に出来た国立銀行とは異なる銀行なのでご注意ください。
- 第三銀行:相互銀行をルーツに持つ地銀
- 第八十二銀行:第十九銀行と六十三銀行が合併して出来た銀行(19+63=82)
ついでに説明不要かも…ですがセブンイレブン系列のセブン銀行も名前に「7」が入っていますが、こちらも第七国立銀行とは何の関係もないです。
153個もの国立銀行はどこいったの?
1879年までに153個の国立銀行が建てられたことはわかったけれども、それじゃそれらの銀行はみんなどこにいったのか…というと、これはだいたいは合併や社名変更等によって消滅してしまっています。
たとえば一番最初に作られた第一銀行は、あの第一勧業銀行のこと。
そんな第一勧業銀行も合併により現在ではみずほ銀行になってしまいましたが、こんな感じでその多くがナンバー銀行の看板を下ろしてしまっている現状があるのですね。
第二銀行や第三銀行はどの銀行になった?
第一銀行が第一勧業銀行なら、それじゃ第二銀行や第三銀行はどの銀行になったのかというと下記の通り。
- 第二銀行…横浜銀行
- 第三銀行…富士銀行経由でみずほ銀行
- 第四銀行…2021年に第四北越銀行に
- 第五銀行…三井銀行、さくら銀行を経て三井住友銀行
こう見ると第四銀行が残っていたこと自体が奇跡みたいなものですね。引き続き、由緒正しき国立銀行の生き残りとして第四の名を残していってほしいなと思います。
現存するナンバー銀行一覧リスト:
続いて現在でも日本に残っている、ナンバー銀行をまとめておきます。有名な銀行以外にも地方にはまだまだ、ナンバー銀行が残っているものですよ。
第四北越銀行(だいしほくえつぎんこう):
第四銀行は日本で一番古い歴史を持つ銀行のひとつでしたが、2021年に第四北越銀行に商号を変更。
かろうじて「第四」の名前は残りました。主に新潟県をはじめとした北越地方を地盤にしています。
十六銀行(じゅうろくぎんこう):
十六銀行は2012年に岐阜銀行を吸収合併した勢いのあるナンバー銀行。
東京では馴染みが薄いかもですが、岐阜県内での知名度は抜群です。
十八親和銀行(じゅうはちぎんこう):
十八銀行は2016年に親和銀行の合併を発表し、2020年に十八親和銀行に商号を変更。
こちらもかろうじて「十八」の名は残りました。
七十七銀行(しちじゅうしちぎんこう):
七十七銀行は東北地方で強い力を持つナンバー銀行です。
こちらも東京では馴染みがあまりありませんが、東北地方出身の方なら知らない方はいないくらいの銀行なのではないでしょうか?
百五銀行(ひゃくごぎんこう):
百五銀行は三重県を地盤に持つナンバー銀行で、東証一部にも上場中です。
最近では三重県内だけでなく名古屋等へも積極的に出店している印象を受けますね。
百十四銀行(ひゃくじゅうしぎんこう):
百十四銀行は香川県に地盤を持つナンバー銀行で、現存する一番大きい数字を商号に持つナンバー銀行でもあります。
読み方は「ひゃくじゅうよんぎんこう」ではなく、「ひゃくじゅうしぎんこう」が正しいので、お間違えなく。
以上、第四北越銀行や七十七銀行など、日本に残る「ナンバー銀行」まとめ!その名前の由来から、現存するナンバー銀行一覧リストまで…という話題でした。
参考リンク:
銀行に関する知識を含め、お金に関する知識をもっと付けたい方は下記記事も参考に。気軽にスラスラ読めるお金の解説本をまとめていますよ。