フリーランスなどの個人事業主と話をしていると、『税務調査に入られたらどうしよう…』と過剰に怖がっている方が多い印象を受けることがあります。
しかし、個人的な経験則で言わせてもらえば、税務調査なんてただの「調査」であって、それ以上でもそれ以下でもない感じ。
しかも税理士をきちんと付けている個人事業主であれば、怖がる必要性なんてまったくないんですよね。
なぜなら税務調査で脱税を指摘された場合には一言、「税理士の方に見てもらっていたから問題ないと思っていた」と言えば問題がないため。
個人事業主本人の責任が問われることなんて、ごくごく稀と言えます(そのための税理士&顧問料です)。
税務調査は別に怖くない:
重加算税は税理士の責任:
また、税務調査で問題が発覚したからといって逮捕されて前科が付くとか、監獄に入れられる…なんてこともまったくなし。
明らかに売上を隠すなどの犯罪行為をしているならともかく、売上かどうかの判断が難しいようなものを売上にしなかったとか、経費かどうか微妙だけど経費にしちゃっていた…みたいな場合には、単純に税務署側との協議によって追加で税金を払うかどうかが決まる程度です。
- 意図的に売上を隠蔽していた場合:
問題ある行為なので重加算税の対象となる(そもそも税理士はこういった違法行為を承認しない) - 売上にすべきかどうか人によって見解が異なるもの:
税務署側との協議によって追徴課税となるかが分かれる(税理士が認めているなら税理士が協議してくれる)
いわゆる「見解の相違」ってやつでしかありません。
意図的に売上をごまかしたりしなければOK:
ちなみに。
元東京都知事の舛添さんが、外出先でちびまる子ちゃんの漫画本を購入して経費にしていた…という話が過去にありましたが、あれだって業務に関係があるかどうかは第三者からは判別がしにくいもの。
それゆえ、税務調査において「これは経費になりませんよね?」と指摘されることはあっても重加算税の対象とはなりません(下記はこちらから引用)。
重加算税:
国税における加算税の一つ。
過少申告加算税が課される場合(申告書に記載された金額が過少),または不納付加算税が課される場合(正当な理由なく法定納期限までに納付しない)において仮装隠蔽の事実があるときに基礎となる税額に対し 35%の税率で,無申告加算税が課される場合(正当な理由なく申告期限内に申告しない)において仮装隠蔽の事実があるときに基礎となる税額に対し 40%の税率で課される追加課税。
ではどんなものなら対象となるのか…は下記の通り。
- 裏帳簿の作成
- 売上の除外
- 架空仕入れ
- 架空経費の計上
- 税務調査での虚偽答弁
- 他人名義や架空名義の使用
小売店や飲食店がやりがちな、売上を除外するのは論外。
それ以外には買ってもないものを買ったことにしたり、取引もないのに請求書や領収書を偽装して作成したり等でもなければ、税務調査では「修正すべきと指摘」される程度で済みます。
経費かどうかも税務署側と協議可能:
しかも、指摘に応じて修正するかどうかはみなさんにも裁量あり。
税務署側はできるかぎり更正処分、つまり強制的に納税させることをしたくないため、たとえ『経費ではないのではないか?』と指摘されたとしてもすべてに応じる必要性はありません。
みなさん自身が『確かにこれは経費とはいえないな』と思えたもののみ、修正申告に応じればOKです。
- 間違い:
税務調査で指摘されたものはすべて修正申告しないとダメ - 正解:
税務調査で指摘されても、正しくないと思うものは認めなくてOK
税務調査では強制的に税金が請求されると思っていた方は、このあたりも安心してもらえれば…と思います。
仕事ですこしでも使うなら家事按分を:
個人用で購入したテレビとブルーレイディスクだけど、時々、仕事の情報収集のために使うこともある…とか、取引先が自宅に来た時にそのテレビを使ってプレゼンテーションする場合がある…といった場合などには、購入代金の一部を家事按分して経費にするのは問題ありません。
ただその比率、つまりどのくらい経費にするかは難しいところゆえ、その点が税務調査では争点になりがち。
しかし、仕事で使っていることが事実なら税務調査で指摘されてもまったく問題ないので、税務調査を過剰に恐れて経費算入をやめないでください(税務調査の際には比率を調整させられることになるだけ)。
仕事に使ってるなら堂々と主張すればそれでOKです。
必要経費の一環だと思っておこう:
こんな感じで税務調査なんて恐れるべからず。
仮に税務調査をされたとしても過去の記帳ミスや、経費かどうかの判別が難しいところを指摘されるくらいなので、「追加で税金を納めればいいや」くらいの気持ちで望めば恐れることなどひとつもありません。
もちろん脱税しているとか、青色申告をせずに収入をすべてフトコロに入れっちゃってる…という方は大いに恐れていただいて構いませんが、それ以外なら怖がるだけ無駄ってもの。
それよりも税務調査=必要経費の一環とか、何年かに一度徴収される税金だと思っておいたほうが、精神的にかなりラクなはずですよ。
- 間違い:税務調査が来ると人生が終わるとか、刑事罰に処される
- 正解:税務調査が来ても最悪、追加で税金を払えば終わり
以上、税務調査を怖がってるフリーランスは多いけど、税務調査が来たら人生が終わるとか、逮捕されるわけじゃないから安心してほしい…という話題でした。
参考リンク:
みなさん経費の付け方などに少し、やましいところがあるからこそ怖がっているのかもしれませんが、どれが経費にできてどれが出来ないのか…という判断基準さえしっかりしていれば、税務調査を怖がる必要性なし。
「知識が不足しているなぁ…」と思う方は是非、下記記事を参考にして正しい税の知識を身につけてみてくださいね。
私は自分ですべて出来てしまうので、税理士すら付けていない状況ですよ。